新年あけましておめでとうございます。新年と言っても年末年始はほとんど仕事でキッチンで過ごしていたので、もう寝不足でしょうがないです。なので世間は失業やら解雇やら言われているのが信じられないくらいです。そして気づいたら今日はもう1月7日。社会はロックダウンやらトランプのおっさん支持者がワシントンに大集合してたりと(自分もTwitterを見てたらワシントンへ行きたくなってしまいましたが)、こんな日まで働いてたらワーカホリックと何ら変わらないとも思いますが、忙しい中で時間を作って映像の編集作業をしているので、何とか完成したとも言えます。そんな先日配信した、バルセロナのダンスミュージックフェスのOFFSonarの感想を友人のO君(男性)が丁寧に書いてくれました。
「以下O君(男性)の感想文」↓
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あけましておめでとーございまーす
ひろたんのYoutube、クリスマス前くらいには見終えてたんですが、いろいろ考えてるうちに今日になってしまったよー!
75分、ガッツリ見させてもらいました!
個人的にはアリでした!ひろたんがFBにも投稿してた外人のコメントと一緒でここまでフッテージを垂れ流してるのはリアリティ番組ハンパない!!!
そこは間違いないッス!「あの現場にいだんだよ」感はすごいし、それを画像と音でこっそりつなげて違和感なく繋げてるのとか、ひろたんがFBで言わなきゃ自分もわかんなかった!!
あとは、ヒロたんの思いがどっちなんだろー。ってとこですかね。
再生数を伸ばしたい。なのか、自己満なのか。
自己満だったらあれはいいと思う!超絶リアルだし、そこにいるかのような感じだし。ただ、再生数伸ばしたいなら説明が必要かもしれません。あとはタイムラインとか、ヒロたんの感情とかを動画の中に入れたほうが、感情移入というか、わかりやすいかも。
ああいうイベントに行きなれてたり、最初から行きたいやつが見たらあの音楽に飲み込まれてる街全体の雰囲気とか超伝わるけど、見る側の意識が高くないと追えない部分はありそうでした。
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以上、という内容でした。
とにかく今回の映像の現場のリアル感が少数ながら伝わったことが良かったのと、繋げているのが気づかれてなかったのがDJ仕事としては嬉しかったです。いやー、気付かないもんですね。とにかく曲と曲の繋ぎ目はフェードアウイトインで何度もやり直ししたので、普通に聴いていたら粗はほとんど目立たないと思います。それが現場感を出す上で非常に重要になってるんですよね。
この作品を作ろうと思った時に思い浮かんだのが、映画「ウッドストック」(笑)
内容は詳しくは覚えていないけど、アメリカは70年代にあった3日間のロックフェスの映画です。ジミヘンやジャニス、WHOといった面々がとにかく本気で演奏していて見ている客も本気。商業主義がなく、ひたすらリズムに合わせて体を夢中に動かしているああいった雰囲気を作ってみたかったんです。因みにあれって編集しているのはマーティン・スコセッシ監督です。OFFSonarも色々なレーベルが集まってイベントを行っているので全く商業主義ではないとは言い切れないけど、さすがにミニマルテクノというジャンルで商業をしようとする人はそんなに多くはないと思われ、みんなひたすらその場を心底楽しんでおり、まさに狂乱の渦。こんなのは日本では開催されないだろうし、しかもプロフェッショナルなカメラで撮影している人もいないので、これは作らないとならないと自分のミッションとしました。
テクノミュージックは僕が聴いていたのは90年代の頃で普段はそれほど聞いてはいなかったのが、この2,3年くらいによく聴くようになりました。それは、あのダークで落とされる曲調が今の混沌の時代に妙に似合うから。そして、2019年のOFFSnonar、あの時期のああいったフェスの開催はやばい。もう世界がめちゃくちゃになりそうな一歩手前をあの場で感じることができて、少し狂気すら感じました。実際にその後すぐパンデミックになるのですが。
そして何度も書いているCharlotte de Witte,僕は彼女を女というよりは男として見えていて選曲もたくましい。昔はアイドル的なとも言われていたけどそんなことはなく、非常にっかっこいい。煙草を吸いながらプレイするトップDJの女性もなかなかいないだろう。
映画「ウッドストック」ではジャズ・ミュージシャンのマイルス・デイビスも出演していてこれの一番記憶に残っているのが、ジョニ・ミッチェルとマイルスがすれ違うところでマイルスがめちゃくちゃ怖い。そんな舞台袖を撮りたくてフッテージを長めにして、盛り上がっていないかもしれないけど、DJが次のDJにチェンジする時って個人的に好きな瞬間なんです。そういったイベントの現場感を出したかった。
そして「僕の思いが、再生数を伸ばしたい。なのか、自己満なのか。」
なんですが、ここまで書いてきて分かったんですが、作業に没頭しちゃってて何も考えていないですね。そうそう、考えられなかった。最初は考えましたよ、こんなに長いんじゃ再生されないよなー、と。完成した後にもね。でも作業を始めたらそんなのどうでもよくなって、自分で撮った動画に自分が興奮してました。感情表現に関してはフッテージでよくカメラがブレる瞬間にそれを感じてもらえればいいかなと、見てくれる人の想像に任せることにしました。というか想像してほしい。なので自己満の部分もありますが、思いは「見る側への問題定義」です。(笑)
そして最後の感想で、
「ああいうイベントに行きなれてたり、最初から行きたいやつが見たらあの音楽に飲み込まれてる街全体の雰囲気とか超伝わるけど、見る側の意識が高くないと追えない部分はありそうでした。」
これはその通りだと思います。僕としては、逆に見る側への願いとして、追ってほしいという想いがあって、意識高くなってほしいなんて言ったら超おこがましいのですが、フェスってのはこれのことを言うのであって、規制に守られ過ぎたフェスや音楽なんてのはリアルじゃないし、本当にフェスに行くってのはそんな規則もルールも危ういところへ行くものなので(昔はライブハウスやクラブってのは少し怖いところだった。)何か違う感覚が見えてくるんです。来ている連中の意識が高いから、うかうかしていられない気持ちや、クリエイターも多いので自分は何を表現しているのか?自分の好きな音楽というものをどれだけ好きなのか、理解しているのか?と試されているような感覚もあります。海外旅行もそうですが、日本にいるのとは全く違い、守られていない環境へ行くからこそ真実が見えるわけで、この映像は言葉では伝わらないし、真実を見たいなら映像を見て自分で考えてもらいたい、そして現場へ行ってほしい、という気持ちも含まれてます。
まとまったかな?
こういった解説は制作後になると色々と発見があって説明できるけれど、実際の制作中は没頭していて、1クリップ1クリップを繋げる時に(今回は曲のテンポと映像の両方)にいちいち興奮して作業していました。やってみて分かったのは、またフェスの映像を撮りたい。それをまた編集したいということです。現場の音だけでもここまでできることが分かったので、DOKKINKIN TVの旅の映像も音楽なしで現場感を伝えらえる作品を作ることも考えていこうと思っています。