向田邦子没後40年特別展

向田邦子没後40年特別イベント「今、風が吹いている」に出ることになったと、友人の永井さんから連絡があって、なんのこっちゃよく分からんと思ったら、青山のスパイラルで向田邦子展を開催していて、その開催内でドキュメンタリー映画の「向田邦子の贈り物」という映画上映会があり、その映画に出演するということだった。というか、自分で調べないと何に出るのか全く分からない永井さんのメールの内容だった(笑)

https://www.spiral.co.jp/topics/art-and-event/mukodakuniko

向田邦子といえば、ああそういえば昔、「おしゃれの流儀」というエッセイを読んだのと(昭和の文化おしゃれ人で何とも素敵な東京生活を綴った内容)と、確か旅好きで30代後半から海外を駆け足で周り、台湾の帰りに飛行機が墜落して亡くなったんだなと、昔買ったブルータスを見てみると、そうそう北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコのマグレブ3国を旅してそのエッセイも書いていたので後で読もうと思ってた「女の人差し指」、

そ、れ、よ、り、だ!!

永井さんが映画に出ると言っていたので、そのドキュメンタリーの製作出演者を見てみると、一覧に“角田光代”先生の名前が並んでいるじゃないか!!それに西加奈子先生の名前も。角田光代、永井尋己、西加奈子って名前が、3人の名前が同じ一覧に載っている!!

全然文壇と関係ないのに、文壇の人達と並んでいる!(笑)

これは映画のイベントの日は自分もスパイラルへ行きたい、と思っていたのが、あえなく緊急事態の為、中止でオンライン配信になりました。

あー、びっくりした。イベントが開催されてたら、永井さんと文壇の人達が並んで立ってたかもしれない、なんでそこにいるんだ???と(笑)

永井さんはCGクリエイターとして参加しているそうです。それでこの映画はオンラインで2/27から配信されることになったので、こちらから見ることができるそうです。(宣伝)https://members.tvuch.com/mukoda/

ちなみに、自分の旅音楽の映像も最初の回から作り方を教えてもらっていたのは実は永井さんからなんですね。最初は全然分からない中、色々と教えてもらって、素人ながらなんとか試行錯誤してやってきておりますが、また最近ファンから以下のコメントがあり「Fuckin’ on point all the time! Respect.」もうどういう意味やねん、これは。(笑)世界へ向けて配信すると結構反響があるものだなと、この「どんだけ俺の映像が好きなんだアメリカ人」にはいずれ飯でも奢ってやりたいなとは思っております。

そんな自分の動画ですが、角田光代先生の影響なくしては、この動画はありえなかったくらい先生のエッセイは大概読んでるので、こう永井さんから角田光代先生に繋がるというのはなかなか嬉しいもので、イベントは開催してほしくはありました。旅といえば沢木耕太郎が人気がありますが、角田先生のはフワフワとした内容の中にじわじわと、そして急に突き刺さるような書き方をする文体がはっとさせてくれて心を動かしてくれる。最近もエッセイは書いていて、「大好きな街に用がある」というエッセイを読んだのですが、角田先生もそれなりに年を重ねているので内容も少しずつ変わってきていて長年読んでいても飽きない。

今の時代、書店には並ぶ本は、いつも売れそうな内容の薄い自己啓発や役に立つ経営事業や、メンタル、AI、科学と未来といった本ばかりが並んでいるので、向田邦子のような文系の本は大事であって、こういった文化を科学の進歩によって失ってほしくはない。

文系vs理系になってしまうのですが、本来自分は文系なので、未来科学の生き残り戦略本なんかより、文学の方が重要だとは思ってしまい、それのみだとこの先、埋没して生き残れないとも思うかもしれないが、生き残る残らないといったことは各自の思考や信念に確実性があれば括りは問わず残る、もしくは満ち足りた破滅。それにAIという一単語で簡単に括られるほど人や文化は単純なものではないのは分かってはいる。理解はしているが、明治維新時に日本のこれまでの文化をあっさり埋葬するような風潮にはしたくないといった気持ちで昭和平成のインターネット前の文化を再確認する必要はまだまだ沢山ある。