一般旅行者と修学旅行生たちの金沢

秋の金沢訪問。タイミングを狙って出かけないと出かけ辛い世の中なので急遽来てみることにした。プランは金沢寿司を食べることしか決めていなかったのだが、街を歩いてみたら非常に居心地の良さそうな街。やはり関東からは時々出ないと内的に何かが不足してしまう気になる。おそらく日本古来の物を普段見ることができているかいないのかで気持ちは変わるようだ。これぞ「和」。

さて、どこへ行くかと、まずは近江町市場へ行き一通り中を周り、江戸時代の頃の茶屋街が保存されている「ひがし茶屋街」へ行く。そこはとにかく修学旅行生が多く、ジャージ姿で結構な数の学生達が茶屋街をうごめいているではないか(笑)こんなジャージ姿の学生が集まっている光景なんて今まで海外などで見たことがあっただろうか、いや多分ない。しかしそれは非常に素晴らしい光景だった。これも「和」。

適当に近江市場で海鮮丼を食べる。そうすると、ここでもまた修学旅行生がテーブルを囲んで真剣に海鮮丼を食べている!しかし、これもまた学生が何かと真剣に向き合っているような光景だった。

兼六園を周り、この間色々と撮影していたのだけど、久しぶりの撮影だったので、勘が戻るのに時間がかかった。今回は金沢と鮨と音楽の組み合わせにする予定だったが、国内の撮影の場合これらを掛け合わせたイメージを膨らませるのが難しい。音楽はどうするか。

翌日、金沢鮨の某有名店に行ってきた。最高の”のどぐろ蒸し寿司”を食べてみたいと3日前に電話をいれ予約を取り、行ってみると無口そうな大将が握っていたのですが、そこで出される寿司はすべて最高で声を出さずにはいられない程。しかし食べ終わる頃にはその大将が気さくに話しかけてくれて、色々な良い話しを聞かせてくれた。寿司職人の人間関係から誰にでも共通しますが先輩と後輩の付き合い方のことなど。カウンターは7席。すべて埋まっていました。

前から行ってみたかった鈴木大拙館。午前中から長居してしまいました。そこは時間が止まっているようで来ている人は水辺と空を見て座りこみ、外の世界とは遮断されてしまいます。現実に戻ってこられない。学習空間、水鏡の庭、思索空間といった空間があり、色々と思索し始めたら動けなくなってしまった。ここの学習空間、学習に集中できる部屋になっており椅子と机があり鈴木大拙先生の書籍が色々置いてあるので、机で読もうと思ったら、机にも何人かの修学旅行生が!そこで修学旅行のレポートを書いている。。。しかも夢中で。まぁ、レポート作成も学習なのでこれが学習空間本来の使い方なのでいいのか。

21世紀美術館。こんなに現代アートが身近にしかも大勢の人が集まるなんて、金沢市民は前衛アートに興味があるとんでもない人達なのだろうか。しかも、結構尖ったファッションの若者が多くて、一体なんなんだこの芸術レベルの高さは?何かの革命前夜なのかとも思ったが、隣にいたお父さんがDoug Aitkenのドロドロした映像を見て「なんだかよく分かんねーなー」と言ってたのでちょっと安心した。あぁ、良かった(笑)

初日の昼は海鮮丼を食べて2日目は有名店で寿司のおまかせコースを食べたので、3日目もやはり寿司。二軒ハシゴしましたが、金沢の「のどぐろ寿司」は美味しかった。今回思ったのは本当に美味しい寿司を食べたいなら多少なりともお金を払わないとならないということで、まぁ、はま寿司くら寿司でも全然食べてますが。しかし、たまには本物を食べないと何が本物か分からなくなるから、今はコンビニでもあんなに美味しい弁当が手軽に買えてしまうので。インスタントに作られる食事が安くて美味しいということに流されてしまうのは良くはないし、怖いという気もするけど何が嫌かといえば、やはり店に行って会話してその人の作った物を目の前で食べる、という行為が生活の中で粋な瞬間であって、そこは腰をあげて出向いていかなければその機会には会うことはできない。ドラマティックな瞬間があるかないかで日々の生活って変わる。

泊まったホテルの受付のスタッフ。4人程おりましたが、僕に何を感じたのか全く分かりませんが、ちょっと話し掛けられ、帰る時にはみんなで次の海外旅行はどこに行きたいかをワイワイ盛り上がってしまいました。スタッフ四人はみんな大の海外旅行好き。次は初インドに行ってみたいという声や、子供を連れてキューバ、サウジアラビア、いやいやイスラエル行った方がいいよ、いやいや若いうちにインドに行っておかないと、私インドは4回行きました、4回も!?帰りの新幹線の時間が近づいているのに、もはや旅の話しが止まりません(笑)

みんなすでに次の旅行プランを考え始めてる金沢の秋です。