島と海の世界-八重山諸島

長い休暇が取れたので沖縄へ向かった。前から休みは決まっていて行く場所はぼんやりとだけど沖縄なんだろうなと、この「だろうな」と思っていたらすぐに出発前日になっていて、前日にアマゾンから旅用のキャリーバックが届いた。11月の遅い夏休みは9日間もある。長期の休みであれば本来ならすぐに海外へ向かっていたはずなのだが、こんな状況であれば仕方がない。仕方がないというには失礼、いや勿体ないくらいの沖縄のアイランドホッピング周遊を5日前に練った。如何せん移動する旅など久ぶりで、ちょうど2年前のジョージア以来だ。ジョージアの帰りの飛行機で自分のキャリーバックは粉々になってしまい、今回リュックサックで行こうと思っていたのだが、さすがに9日分の着替えは入らなかった。

とにかく荷物を届いたばかりのキャリーバックに詰め込み(この作業も久しぶりで、作業していると海外へ渡航する時となんら変わらない)、そして前日に石垣島行の航空券を買う。(国内線Peachの購入が前日だとサイト上からできず、海外サイトから買うというおかしなことになった)休みが一日前倒しになった為、出発日は決まっていなかったからだ。他のホテルや航空券は少しずつ集めていた。買っていたというより、島移動が多いので結構な枚数のチケットになってしまった。

そして、島のフェリー会社やホテルに電話を入れ、現地の天候と移動手段を聞いたりはしていた。日本国内とは言え、ローカルであり、そこは島だ。下手をすると移動して行っても帰ってこられなく場合があり、それは結構よくあることだ。現地では「帰れなくなったら帰ってこなければいい」、と言う人もいた。そんな誘惑もあるが自分は屈せず帰ってくることを心に決めこんではみた。最近、何かの誘惑に勝てる自身が年々なくなってきていて、流されるままに流されやすくなっている。何というか自分の気持ちが良ければそのまま流されてもそこに浮かんでいてもいいじゃないかと、自分に甘く(甘いのは愚かでいけないことなのか、正直でいいことなのかといえば、正直で愚かで清廉なことだと最近思う)なってきた。

今回は9日間浜辺に浮かんでいよう。そんなのんびりしたことを想像していたのだが、現地に到着してからはそんな時間よりも慌ただしい移動があり、その隙間と隙間に時間の止まったような景色を見ることになる。

早朝5時ころに目覚め、6時に自宅から成田空港へ出発し、9時の便で石垣島へ向かう。成田空港はそれほど混んではおらず、コロナ禍収束しつつあるタイミングとしては最高の時期だった。そこにいる人の顔はやっと出発できるといった顔で、自分も2年ぶりに成田空港へ来たわけでターミナル1を歩いていると非常に懐かしく思い、2年ぶりに旅ができるといった顔、いや俺は3年ぶり、いやいや自分なんて5年ぶりだといったような面々が集まっていておそらく目的は一緒のようだった。

4時間後の13時に石垣島に到着し、外へ出るとどんより雨雲がでており、一言で言うと悪い天気。その時、季節は11月だ。それほど暑くはなく半袖のTシャツと短パンばかりを詰め込んできていたので不安になったが、とりあえずレンタカーショップに電話をして迎えにきてもらう。このレンタカーだが今回なかなか空きがなく借りるのに手間取うことになる。航空券を買うのと同じように沖縄ではレンタカーの予約は必須だった。しかし全て現地で電話をしながら借りていった。とにかく車に乗り、石垣島の中心地、ホテルの方向へ向かう。さて、どんな島なのだろうか。そこに信号はほとんど無かった。