九州一周四日目 熊本県 阿蘇山~黒川温泉

熊本市内の日航ホテルのそれらしい朝食をとり、今日も移動する。秋晴れの朝に少し時間があったのでホテル近辺を散策してみる。涼しくて散歩するにはちょうどいい。熊本市はなかなかの都会で鹿児島市内よりも建物が新しく作られているような街。地元の人はみな通勤時で急いで歩いているが、自分は満腹状態で路面電車を眺めていたら香港を思い出した。香港をぶらぶら歩いている時もこんな朝だった気がする。九州自体が中国に近いからだろうか、食事もそんな味付けのルーローハンが出たりする。

ホテルをチェックアウトして阿蘇山へ向かう。今夜は黒川温泉に泊まるので、阿蘇山のドライブコースを車を走らせる。今日もしつこく晴天で全く雨が降らない。毎日移動していると国内移動でもだんだん海外での移動旅の気持ちにもなってくる。何も考えずただ移動していくと日常の生活からだんだん遠く離れていき何かが覚醒して本来の自分が見えてくる。なので旅に出るなら長期間の方がいい。

ミルクロードというドライブコースはぐねぐねうねった道のりで、コーナーばかりの道路を車とバイクが飛ばしていく。スピードを出すドライブは性に合わないが結構好きなので一気に大観峰という景観の良い山々の見える場所に到着する。観光客も結構な数でみんな寛いでいる。空気も良くてしかも晴天、そんな山々に囲まれていると何もする気がしなくなってしまい、兎に角気持ちがいい。そこからまた車で阿蘇神社まで向かう。阿蘇神社は改装中だったのだが、昼に地元の名物の赤牛丼を食べる。半熟卵が載った赤身の牛丼でかなり美味い。九州に着いてから食べる肉がとにかくどれも美味い。店内は観光客でいっぱいだった。

黒川温泉の宿、南城苑には早めに到着したかったのでそのまま車を飛ばして15時頃にチェックイン。部屋は眺めの良い品の良い和室で一気に明治か江戸時代まで戻ってしまうような贅沢な空間。食事の時間は18時からと告げられどうもコース料理らしい。これはもしかするとと思ったらとんでもない格別のフルコースだった。宿は25000円くらいする自分には高級宿、ほかの宿は3,4万円くらいする温泉宿ばかりだった。はっきり言って高い。なのだが旅行支援生活をしているので結構な割引の適用になっている。こんな時でもないとなかなか泊まれない宿ではある。

浴衣に着替えて温泉街を散策してみる。川が流れてあちこちに温泉宿がありこじんまりした温泉街だった。ここはまた来てみたい場所になりそうだと思いながら宿の温泉に行ってみると、日本昔話に出てくるような眺めと白く濁った湯。外に小さな露天風呂のようなスペースがあり、そこから山や目の前の温泉宿が見える。しかも一人で入るような貸切風呂だ。立ち風呂なんていう露天風呂もあって立って入りながら景観を眺めることができる。考えたら宿泊客自体が10人いるかというくらいの人数なので非常にゆっくりと寛げてしまう。一人で来てしまったのだが、温泉に没頭できる初めての体験かもしれない。

夕食の時間になったので食堂へ行くと、コースのお品書きが置いてあり、結構な数のメニュー。一人で来ている客もいた。運ばれてくる料理は天ぷら、馬刺し、40分じっくり焼いたというヤマメ、茶碗蒸し、牛ロース、最後にご飯と味噌汁。スタッフが丁寧に説明してくれる。もはや料亭の味でこんな食事がついて25000円なんて無茶苦茶安い。結局また呑んでしまい酔っ払う。温泉宿の外はぐっと気温が下がり夜に外出する気はせず、部屋に戻ると敷布団が敷いてありそのまま寝てしまった。

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