憂鬱の推移「ブダペスト、ハンガリー6」

昨晩はオペラの公演日を一日間違えてしまい、ホテルに戻って疲れてそのままダラダラして寝てしまった。ぐっすり寝れたので朝は良く起きられ、考えるとセルビアに到着後は動きっぱなしで、もうこの旅も後半なのでこの辺で一息入れたいところだ。大体の観光地は昨日回ったので、今日は王宮方面に行って軽く散策するくらいしか予定はないので一日のんびり回ることにした。天気は曇りで雨が少しぱらついている。ホテルで傘を借りて、朝食を食べに適当にイシュトヴァーン大聖堂方面に歩いていく。大聖堂の眺めは気持ちが良く、朝一の散歩には最高の場所で辺りには鐘が鳴り響いている。目の前にカフェがあったのでそこで食べることにした。

ぱらつく雨が降るのを眺めながら、カフェのテラスでハムとチーズのパイ生地で包んだものを食べながらコーヒーを飲む。気温は雨も降っているのでそれほど高くはなく、少し肌寒い中上着を羽織って外で食べていた。今日は日曜日なので、教会でミサをやっているはずだと大聖堂へ来てみたのだが、入口で観光客は午後から入場できると断られてしまった。しかし、中に入っていく信者の人達がいるので、試しにミサへ来たと話してみる。入口の男性はうーんと頷きながらも入れと扉を指さし、中に入ることができた。ミサの間は建築物の見学ができないということのようだ。自分はミサが見たかったので入ってみたが、やはり欧州のミサは熱心な信者が集まり、牧師が話をしている厳粛な雰囲気で日曜の朝に訪れると気分も落ちつく。ミサの途中で外に出ると空は晴れていた。

ホテルが近いので受付に傘を返却して王宮へ向かう。街は小春日和で沢山の人が鎖橋を渡り王宮へ歩いていた。王宮は丘の上にあり、ケーブルカーで一気に上に上がれるのだがトイレに行きたくなりトイレを探すがなかなか見つからない。ヨーロッパは何故にこんなにもトイレがないのだろうか。グーグルマップで見つけてやっとトイレを済まし、歩いていると自転車に乗ったイギリス人から話かけられ、この階段を上がると王宮ですか?と聞かれたのでそうだけど自転車で上がるの?と言うと、持って上がるらしい。先日東京にも来たようで少し話をする。こういう観光地での会話は本当に久しぶりで寝ぼけていた頭が目覚めてくる。

ケーブルカーで上まで上がると、ドナウ川を見下ろす絶景が見えてきた。空は少し曇り空だが、国会議事堂や市街地を流れるドナウ川は格別でみんな写真を撮っていた。こんなところに住めれば楽しいのだが。王宮は国立美術館になっており中を見学する。昨日も美術館を周ったので、絵画に溺れる毎日だ。まぁ展示されている絵の詳細を詳しく理解はしていないが、絵画の海に流されることは最高の快楽になる。王宮を出て近隣を散策する。マーチャーシュ教会や漁夫の砦などは人がいっぱいで、時刻は13時だったが昼食を取りたくても人がいっぱいだった。というか、今日こそはフォアグラを食べないと食べずに帰国してしまいそうなので何とかせねば、と店を調べる。閑静な中世の住宅街を歩き、そういえばお薦めの高級ホテルはこの辺りに何軒かあるのを思い出した。女性が好きそうであろう古風でラグジュアリーな内装だったが、場所がこの辺りだと近くに店はあまりない。夜も静かになってしまうだろうが、まぁそれもそれで中世の気分を味わうにはいいのだろう。

時間がないので鎖橋を渡り、大聖堂の方面に向かう。あの辺にはレストランが何軒も立ち並んでいるので、その辺でフォアグラを探してみることにすると、Strudel Houseというフォアグラを提供している店を見つけた。スタッフに声をかけると中は客がいっぱいでテラス席を案内された。メニューを見るとRoasted Leg of DuckとGrilled Foie Grasと書かれており、これがリアルなフォアグラだとGrilled Foie Grasを薦められたので、それを注文してみた。やっとFoie Grasとメニューに書かれていたので気持ちも落ち着いてきた。運ばれてきたフォアグラは3切れ、焼き林檎が添えてあり香ばしい香りがして美味しそうだ。しかも結構腹も減っていた。フォアグラを一口食べると口の中でトロトロ解けていき、油とソースの味が染みわたっていく。そこに焼いた林檎を食べると脂身と林檎が交わるなんとも絶妙な味わいになった。感動してナイフとフォークで切り刻んで食べていく、が、さすがに3切れもあるとかなり多い。腹が減っていなければ完食するのは厳しいかもしれない。全て食べ終えるとさすがに少し胸やけしたが、ブダペストでやりたいことが一つずつ消化されていき、満足感と安心感に満ち足りていく。

一度ホテルに戻り休憩してからまた街を散策に行くと、通りすがりにSzimpla Kertという廃墟BARを見つけた。見た目が確かに廃墟で中にはカフェが何軒もありミラーボールがぶら下がっていた。昼間だが人は何人か訪れており、開放的な空間のようだ。まぁここは夜にでも来られたら来てみようとその場を後にして、コーヒーでも飲もうと近くに有名な世界一美しいカフェなどと謳われているニューヨークカフェに行くとエントランスでかなりの行列ができていたので諦めて戻ることにした。どこかにカフェはないかと探しているとちょうどいい大きさのカフェがあったのでそこでしばらくゆっくりする。今晩はオペラ座でバレエの予定があり、それまではのんびりしようと思ってカフェに来てみたのだが雰囲気が良くてワイングラスを傾けている客が多い。今日は日曜日で明日はハンガリーの記念日なのでみんな寛いでいるのだろう。

時間は17時前で近くに恐怖の館という博物館があったので行ってみた。エントランスでスタッフの女性が閉館時刻は18時だから無理だと言うので、急いで見るからと伝えると、不機嫌そうな顔でチケットを渡してくれた。大体ハンガリーの歴史を良く知らないし、ハンガリー語も理解できないので1時間もあれば回れるだろうと中に入ると大きな戦車があり、ナチス下にあった大戦中のハンガリーの写真や制服などが展示されていた、当時の生活風景も見られて、日本の沖縄で見た博物館を思い出した。結局、旅に出て博物館を訪問すると、そこにあるものは今も昔も戦争のことばかりになってしまう。地下には当時の牢獄が再現されており、どこへ行っても昔はこんな牢獄が作られていて窓は小さくてほんの少しの陽が差すだけだった。少し館内にいただけで早く外に出たくなってきたところで閉館のアナウンスが流れたので出ることにした。ホテルに戻る途中、自分の写真でも撮ってもらおうと近くにいた人にお願いして撮ってもらう。考えると海外にいるときの写真というものは、あまり持っていないのだ。ブダペストの街並みを背景にした、なかなか珍しい自分の写真を見ながらホテルに戻った。オペラ座のバレエ公演は19時からの開演だ。

憂鬱の推移「ブダペスト、ハンガリー5」

美術館の外へ出るとすぐに英雄広場があり、建設は古く大きな彫像が並んでいる。まばらに観光客がいるほどで大した観光場所ではなく、ただの広場だ。目の前には現代美術館があるが、西洋美術館でだいぶ鑑賞したのと、もう午後2時だったので昼食を食べに行くことにした。

グーグルマップでレストランを調べて、近くにあったハンガリー料理店へ黄色い地下鉄で向かう。店は地下にあり壁はレンガに覆われ客はそこそこ入っていて地元の定食屋のようだった。やっとハンガリーの庶民料理を食べられるので、パプリカスープとパプリカチキンを注文した。ドリンクは水。こちらに来てからジュースを飲みたくないのでオーダーするドリンクは水ばかりだ。慣れるとそれが普通になる。パプリカスープはスパイスが効いたビーフシチューとコンソメスープの中間のトロミで野菜が入っていて一気に身体が温まってきた。こっちにいるのなら毎日これを食べてもいいくらい食べやすくて美味い家庭料理だ。パプリカチキンは美味いが、これもまたボリュームがあって食べきれなかった。骨付きチキン3本と沢山の添えのニョッキだ。まぁ値段も安かったので満足して店を出る。

人気のない街の通りをホテルの方面へ向かって歩く。空は曇っていて時折雨がぱらつく。今夜はオペラ座に行く予定があったので、あまり活動的に動く気にはなれず、車が何台も連なって路駐されている裏道を歩いていると、なんともアンティークなカフェを見つけた。中を覗くと入らざるをえないような内装なので扉を開けてみた。天井からローソク形の照明が店内を薄暗く照らし、木目調の家具が沢山置かれている。丸いテーブルが沢山あり、レースのテーブルクロスや置いてある照明のどれも古く味があるものばかりで、そのどれもがエレガンスだ。店員は女性が一人いて、One?と尋ねてきて適当に座りたいテーブルを指さされた。内装が中世の雰囲気なので、思わずカプチーノを注文してしまった。午後3時過ぎにこんなカフェでビスケットがついたカプチーノを飲みながら携帯でだが読書をして外の雨を見ていた。かかっている選曲もゴシック調の音楽が次から次へとかかるので店員に曲名を尋ねてみたいほどであった。

毎日、西洋の街を散策することから1日が始まり、博物館や美術館、偶然見つけたカフェ、こんなにも日々の生活とはかけ離れた風景を見ていると心理は微妙に少しずつ変わっていく。日々の疲れによる傷口がうっすらとだが修復して憂鬱さと穏やかさが交差していくのが分かる。オペラ座のバレエ公演は夜の7時からだったのでホテルに戻り休むことにした。ベッドで横になり、どうも胃腸の調子が悪いのだが、きっとあの博物館で飲んだピーチジュースだと思いながら仮眠した。6時を過ぎたのでジャケットを羽織って歩いて3分のオペラ座へ向かう。外の雨が本降りになっており足早に歩く。オペラ座は沢山のドレスアップした人々が談笑しており、クロークにコートを預けている。しかし公演題目を見るとバレエではなくオペラになっており、自分のチケットを確認すると、バレエの公演は明日であり、どうやら日にちを間違えてしまったようだ。

憂鬱の推移「ブダペスト、ハンガリー4」

普通に朝7時過ぎに目覚め、LINEをチェックすると友達から何通かメッセージが届いている。日本は午後13頃なので、友達のテンションの方が高い。株価の話も出ていたが、海外にいると投資情報に追いつくエネルギーがなく、他の事に注がれてしまう。姉からの連絡もあり、母親の身体状態が書かれてあったが、特段に問題はなく、入院中の手続きをしてくれているようだ。その内容も全てを理解するには頭が追い付かず、今日どこへ向かい何をするのか頭の中を整理するだけでいっぱいになった。昨日、長距離バスで移動し街中を歩いたおかげで身体が重く、腰も怠い、こんな状態だとブダペストのホテルにしばらく滞在して帰国などはしたくはなくなってしまう。海外で朝起きてホテルで過ごすこの時がいつものことだが心身を休めてくれて、あぁ、それにしても、時間があるのならしばらくベッドに横になっていたい。

重たい身体を起こし服を着替え、朝食を摂りにラウンジへ向かった。チェックインの時に朝食は含まれていないと言われたのだが、朝食ありで予約をしたつもりだったので、念のためラウンジの受付に行くとやはり含まれておらず、通常のブッフェで20€していたので、外のカフェに行くことにした。

Café Cirkuszというカフェが手ごろで評価も高かったので向かってみた。中は8割方客が入っていて、現地の人から観光客まで朝食を食べていた。注文したのはエッグベネディクト。ほうれん草が挟み込まれて美味いのだが、やはり2個あるとなかなか多い。しばらくマップを見ながら今日の行先を調べてコーヒーを飲んでいた。とりあえずブダペスト1日目なので観光地を回ることにしてまずは中央市場へトラムで向かってみる。市場の中は比較的地味なしかし面積のある建物だった。外は雨がぱらついてきて丁度いいので中を散策することにし、店を見ると大きな赤いパプリカ、フォアグラの缶詰、巨大なサラミがどかっと置いてある。これを買う気にはなれないので、目で追いながら歩いていると朝食を売っていたりしていたので、ここで朝食べ歩きをしても良さそうだ。上の階はレストランも何軒かあり、食べることもできる。フォアグラの店はないか聞いてはみたのだが置いてはいないということ。一体フォアグラはどこで食べられるのだろう?

雨が止んでいたので、ここから歩いて国立博物館へ向かう。街は写真映えする街並みで、黄色いトラムがレトロで昔のヨーロッパへ来たような感覚になり、見ているだけで疲れた身体の鎮痛剤にもなってくれる。旅は心身のアスピリン剤代わりになるのだろうかと聞かれたら、なると言わざるを得なく、やはり旅もカフェインも鎮痛剤も憂いながらも幸せな人生にはある程度必要なのだろうか。

国立博物館は1847年に建設された館内を歩いているだけで気持ちの良い建物で、入るとすぐマリア・テレジアやシシィの肖像画が飾ってあり、その部屋は椅子が散らばって置かれておりなんとも不思議な室内だった。ハンガリーの歴史的な展示物を見て、WORLD PRESS PHOTOというちょうど期間展示の写真展を見る。コロナ禍中とコロナ後のめちゃくちゃになった世界の写真が何枚も展示されていた。まさに今自分もめちゃくちゃになってしまった欧州にいるのだが、おかしな気分だ。それを見終えて、売店でピーチジュースを買い少し休憩した。店員が「桃、桃、」と日本語で喜びながら渡してくれたが、この桃のジュースが濃厚すぎて胃がムカムカした。

そのままトラムで英雄広場近くの西洋美術館へ向かうが、西洋美術館はかなりの行列でしばらく入れる様子はなかった。オンラインチケットであればすぐ入れそうなので、手間だがバーコードを読み取り、なんとなく携帯を操作すると購入するとできた。すぐに中に入るとルノワール展を開催しており、なんだか世界中どこへ行ってもルノワールの絵だらけだなと思いながら、しかし近代画は嫌いでもないのでゆっくり流し目で見る。ここはスペイン美術のコレクションが多くエルグレコの絵などが展示してある。まぁなんでも良いのだが、これだけの数の絵を数時間かけて見て回ることができるのは本当に久しぶりで、国内にいるだけの生活が退屈でもあり、しかしこの数年間には意味もあったこともあり、過去と今が交差してくる。大きな窓の外を眺めると晴れ間が出ていた。

憂鬱の推移「ブダペスト、ハンガリー3」

時刻は18時。ハンガリー通貨は念のため現地の名の知れた銀行で引き出した。昼から何も食べておらず、とにかく腹が減っていたので何でもいいから食べたかったのだが、性格上何でも良くはなく、ハンガリー初日なのでハンガリー料理のレストランを探す。あちこち歩くが、入り易そうな庶民的なレストランは客が多くて予約がいっぱいで入れなかった。うろうろ歩きながら結局、初日の夜から庶民的ではない星付きのレストランに入ってしまった、Tシャツの恰好で。本当は落ち着いてから来たい店だったのだがしょうがない、性格上と生活上。

扉を開けて一人と伝えると、スタッフは「一人、アジア人男、ummm…」と一瞬そんな表情になったが、「OK,Here!」とカウンター的なサイドにあるテーブルに通された。落ち着いた、しかしデザインされたインテリアに囲まれた静かな店内なのだが、自分のテーブルの担当は全くそんな落ち着いた気配はなく「飲むんだろ?これとこれがハンガリアンワインで、」とテンション高めに説明してきた。1日移動してきてやっと落ち着いたので、ハンガリーの白ワインを飲む。美味い。辛口で美味すぎる。そしてパンを出されたのだが、このパンが柔らかくてほんのり甘味があって白ワインとパンを摘まむ最高の夕食のスタートになった、一人でだが、性格上とこれも生活上で。

星付きのレストランなので(店名はTextura)、メニューをしっかりと和訳しながら読んでいると、またスタッフの兄ちゃんがやって来て、親切というかかなりノリに乗っていてペラペラ説明してくるのだが、その会話のスピードで料理の説明を一気にされると、なんだかよく分からなくなり、そうなると、こっちも質問を返して、会話に取り留めがなくなってしまった、分からなければ適当に注文してしまったりもするが、思わず質問してしまうのが自分だったりしてしまう、性格上。大体、Tシャツで来るなんて蕎麦屋に入るレベルか、相当舌の肥えた常連客くらいかもしれない。ということで、自分は蕎麦屋に入る気持ちでこれからもレストランへ通おうということを決心した。

とりあえず、この営業じみた兄ちゃんに、「ハンガリーはフォアグラだよね?フォアグラ食べたいんだけど。」って話したが、どうやらフォアグラはないらしく、レバーのパテを食べてみろというので、それを注文してみた。メニューにはPoultry liver pate,blackberry crispと書いてあり、なんとも洒落たものが出てきそうな雰囲気だ。メインはどうするんだ?と聞かれ、説明が一生懸命過ぎてついていけないので、「また食べたら注文する」と伝えた。

そうしていると洒落たものが出てきた。葡萄酒色の楕円のボールが盛り付けられている。これ絶対に美味いだろうと、食べると外は甘いブラックベリーで中にレバーのパテ、赤ワインを注文した。兄ちゃんは「ボトルいくだろ?」と言ってきてもう大分打ち解けてきているが、グラスにしてもらい、前菜のブラックベリーのパテを摘まむ。やや甘めなので、この量の半分でもよいが、腹が減っていたのですぐ食べ終える。さすが星付きと感心したので、メニューをじっと眺める。メインは、ローストチキンかポークかビーフ、サメ?、ニョッキとあるので、ローストチキンに決めた。セルビアで豚肉も牛肉も荒っぽいのを食べてきたので、ローストチキンならブダペスト的な品の良い料理が出るだろうと思ったら、本当に出てきた。欧州に着いてから一番の盛り付けの肉料理で、チキンが柔らかい。柔らかすぎてパテのように感じるがチキンだ、フワフワしている。なんでか別皿にマッシュルームとチーズのアヒージョがあり、これも摘まみとして最高の料理だった。一日腹を空かしてセルビアからバスで国境を8時間かけて移動して、歩いて歩いて、やっとたどり着いたレストランでローストチキンとワインを飲むこの最高の瞬間は誰にも分からないだろう、そりゃ分かんないよね、誰もやらないから。と浸りながら一人で食べて呑んでたら、このデザートはサービスだからと、ドン!と彫刻めいたガラス細工にスイーツというかお菓子が置かれており、まぁ食べると結構甘い、この辺りの人が好きであろうかのお菓子だった。ちなみにスタッフの兄ちゃんは自分の席では陽気だが、目の前の他のテーブル席に行くと落ち着いた接客に変わり、まったくの別人であったのだが、そういう姿勢を見ているとさすがと少し尊敬してしまう。

レストランを出て、ちょうどいい気温の秋の夜の繁華街を練り歩く。もうワインを3杯程飲んだので、ほろ酔いで歩いていると、テラス席が群がる遊歩道を見つけ、僕は良い気分に酔っている人々を眺めていた。