朝起きて携帯で波照間島行きのフェリーの運航状況を調べると終日丸印がついていた。天候は晴れだったので期待していたのだがあっさり大丈夫だった。前回来た時は2日連続欠航していて半ば諦めていたくらいなので2泊3日で波照間島へ行くことができるのは運がいい。ホテルの朝食ブッフェを食べ終えてフェリー乗り場まで歩く。ルートイングランディアというホテルなのだが朝食、大浴場、立地からするとかなり良く窓からの眺めもいい、建物は昭和な感じだがまたそれも良かった。
フェリー乗り場でチケットを購入すると具志堅の像が待ち構えていて3年前を思い出す。しかしあの頃のひっそりした空気間はなく、ひらけてしまったような雰囲気になっている。都内もそうだが、コロナはずっと開けないようなことが言われていたのが今やそれを全く感じさせることはなく人、人、人の波でもはやバブル状態のようだ。自分の場合はあのひっそりした瞬間、誰も行かない時に行くのが好きなので、バブル状態に行くのは苦手と言えばそうなのだが。などと考えていると波照間島に到着した。
ほぼ満席のフェリーは石垣島から1時間くらいで着いてしまうのだが、もはや台湾の近くだ。フェリー乗り場を歩いていくと、レンタサイクルや民宿の看板を持った人達がいるので、適当に原付バイクのレンタル料金を聞いて店を決めて車に乗り込むと島の中心地にある店まで車は走った。レンタル店に降ろされた人達は10人ほどで家族で来ている人達もいる。石垣島では欧米人を少し見かけたがここには日本人しかおらず、まだ海外の人達からは未開の地なのであろうか。
マップをもらい原付で走り出し、念願の久しぶりのニシ浜へ向かう。午後には潮が引いてしまうそうで午前中から昼時がいいということで急いで向かうと見覚えのある坂道を右に下っていくとハテルマのブルーが目の前に広がってきた。二回目なのだがやはりこの青は深くて透き通っていて独特の色で180度に広がり周りには何もなく飲み込まれてしまいそうになる。原付を駐車場に停めて浜辺に行くともう泳いでいる人達がいた。4月のこんな時期に少人数で泳いでいるなんてとんでもなく贅沢な遊びに違いない。しばらく海を眺めていると、隣にいた男性から声を掛けられどうやら島マニアらしく、ここへは何度か来ているそうだ。彼が言うにはおススメは奄美黄島いいですよ!と激押ししてきたので、それ次回行ってみますと話してしばらくビーチで突っ立っていた。
いる人たちは全部で15人~20人くらいだろうか、小規模のパーティーだか町内会だかのメンバーで、世界遺産とか遺跡とでも言えるとでも言えるような海を独占している状態。肌がじりじり焼けてくるし、喉はカラカラだし、ちなみに水ペットボトル2本は買ってきたがもう温い。原付もあるし、このまま最南端まで突っ走っちゃおうと友達とブイーーンとバイクで信号なしの一本道、周りはサトウキビ畑、たまにヤギ、を両端にみながら走っていくと、10分くらいで次のビーチに到着した。そこに女性がいて、一人でビーチに歩いているのが怖いと言うので一緒に茂みを歩いていくと岩々のある海でビーチではなかった。話をすると石垣島へ移住して1年くらい住んでいるそうで、なんとも移住した顔という雰囲気だった。
そのまま原付に跨り次のビーチへ着くと、2人しかおらず、比べるとニシ浜の色の方が圧倒的だが、そこらへんにこんな浜辺が散らばっているこの島にマジ泊まりてー!と友達と絶叫しながら浜辺を歩いていた。浜辺から最南端の碑まで移動すると、断崖絶壁の岩々があり、その上をゆっくり歩きながら海を見下ろすと激しい波が打ち付けていた。ここの景色も相変わらず絶景だ。ここを見たら後は集落に行くことくらいしかすることもなく、昼時になっていたので原付を走らせる。
前に来たことのある定食屋がやっていたので、そこで豚の角煮定食を食べると3年前と同じ味がした。この店は一体いつからやっているのだろう。客は入れ替わり入ってくる。ここを出て村の中をバイクで走り、なんとも言えない集落の様子を見ていたらお土産屋を見つけた。以前はフェリー乗り場にあった店が家で店を構えることにしたみたいだ。貝殻で作ったアクセサリーなどが売っているが、それにしてもこんな離れ島でやっている店は非常に独特の雰囲気がある。午後になってもとにかく暑いのでカフェで休憩することにすると、オープンテラスのカフェはかなりの客で埋め尽くされている。日傘が設置してあるので涼むこともできて、色々な人達が来ていて見ていると面白い。それにしてもここは一人旅の人が多く、何とはなしに話しかけている。
そしてこのカフェを出て隣に土産屋があり、そこに入ったときに独特の雰囲気の店主と会うことになった。