焼けた残照「ギリシャ編3」

アテネから1時間もかからないうちにサントリーニ空港へ着陸する。時刻は11時20分。東京から17時間かけて来たが気候のせいか特に疲れは感じていない。飛行機を降りると雲一つない真っ青な空が広がっていて空港から外に出るとすぐにバス停があった。サントリーニ島にはイアとフィラの街があるのだが、よく写真で見る白い街並みはイア。しかしイアのホテルを検索すると結構な値段のホテルが連なって出てきた。まぁ安めのホテルもあるのだが、フィラの街も悪くはないとも書いてあったのでフィラに滞在することにした。

バスに30分ほど揺られるとフィラの街のバス停に到着した。ホテルはバス停から歩いて5分程の場所にあり、実はサントリーニ島からアテネに戻るフライトが朝の8時なのだ、早朝の移動を考えてそのホテルにした。フィラの街は道が石畳の坂が多く非常に歩き辛い。ガタガタとキャリーケースを引っ張りながらホテルを探すとすぐに見つかった。

気さくなおばさんが部屋に案内してくれるとまだ清掃が終わっておらず、1時間後にまた来てと言われたので荷物を置いて街へ出る。白い壁と青い階段の街並みは綺麗で気温は暑くもなく寒くもないが半袖だと風がひんやりとする、しかし欧米人は半袖ショートパンツだ。少しだけ寝ぼけた頭で海の方へ歩くとエーゲ海が見えてきた。とりあえずこの辺でカフェに入ろうと店に入るとなんとも地中海バカンスな雰囲気でそこでしばらく休憩する。

フルーツのミックスジュースは喉がカラカラだったので非常に美味しくて一気に飲んでしまった。飛行機から降りてエーゲ海沿いのカフェで寛ぐ、という至高の時間を潰し、部屋の清掃が終わるのを待つ。会計をしようとすると8€請求されカードで払い、たしか7€ではと思いメニューを見ると7€だったのでそれを店員に伝えると1€の硬貨を返してくれた。サントリーニ島はやはり観光客相手なので適当にふっかけてくる慣習があるのだろうか。まぁ1€なのでただの間違だとは思うが、しかし円安の日本人にとっては1€が160円以上してしまうのだ。どうしてもシビアになってしまう。

外に出てしばらく歩いているとベージュとブルーのドーム型の建物と塔があったので中に入ることができたので入るとそれが教会だった。こじんまりした教会なのだが歴史を感じさせるような作りで光が差し込む内部には蝋燭に火がともされていて装飾も鮮やかだった。外観から見ると教会には見えないような造りなのだがさすがサントリーニ島だけあってこんな素敵な外観になっているのだろうか。というかこれこそがサントリーニ島なのかもしれない。

13時を回ったのでもう一度ホテルへ向かってみる。部屋に行くとまだ清掃中であった。女性二人が清掃していたが顔からすると出稼ぎ労働者に見える、がしかしフレンドリーだ。いつになったらチェックインできるのか分からず諦めてまた外に出る。外を歩くと女の子たちが「ヨー!ヨー!」と話しかけてきたが言葉が良く分からない。ギリシャ人は友好的な人達なのだろうか?この時点ではまだよく分からない。

昼食を食べていないのでスブラキというローカルフード人気店に食べに行ってみるとカウンターの店で陽気な店員のおじさんが話しかけてくる。ラッキーズ スブラキという店は調べるとすぐに出てくるのでサントリーニ島に来た人ならだれでも分かる店でスブラキが4€で食べられる。サントリーニの物価からして4€は破格だ。鶏肉にするのか牛肉にするのか聞かれたが、どんな料理なのか良く分からず適当に決めて注文するとピタパンにポテト、野菜、鶏肉が挟んであり、かなりボリュームがある。カウンターで食べながらコーラで一気に流し込んでいると一気に満席になった。この時間帯がランチタイムなのだろうか。

すぐ近くに考古学博物館があったので行ってみることにした。中には紀元前2000年頃の壺や彫刻、壁画などの出土品が展示されてして、壁画などは綺麗な状態で残っている。絵の内容は大きな船を人々が漕いでいる絵などで、どうして今から4000年も前にこんなに文明が発展していたのか信じられない。壁画の状態は非常に良く見入ってしまった。この島には他にも博物館がありただのリゾート地ではないのだ。そろそろホテルの部屋の準備ができている頃だったのでホテルに行くと部屋は綺麗に整っていた。時間はまだ14時過ぎだったが一度ベッドに倒れこんだ。

30分ほど横になったが、まだ陽が出ているのでベッドから起き上がりサントリーニ島の北部にあるイアへ向かうことにした。なるべく行ける時に行かないと2泊3日しかないので行きそびれてしまう。イアへはバスで30分くらい片道1€、バス停はホテルから歩いて5分程の場所にある。まぁホテルと取るときにバス停の近くにしたのだが。

到着すると周り一面が白い建物になっている。フィラとは全く違い、白い大理石でできたような冷たい床を歩いているような感覚。心地よい日差しと冷たい風が混じり合い、人と人が沢山すれ違っている。街中は土産物店があちこちにあるがフィラとは違い工芸品や洋服店が高級さを持って並んでいる。歩きながら店を覗くが、全く買う気はなかったので中へ入らずイアの街を散策した。もうじき夕暮れの時刻なので今日は夕日までは見て帰ろうと思っているとかなりの細い通路に長い行列ができている。逆の側の通路からそちらを見てみると、どうやらあの有名なサントリーニ島の写真スポットのようだ。こんなにも並ぶのか、しかも着替えてまでし何枚もポーズを変えて撮影している。街中は細い通路が坂道になり入り組んでいて歩いているだけで楽しいし、あちこちにある家やホテルはプールがあったりそこでワインを飲んだりと、非常にラグジュアリーなムードだ。可能であれば自分もそこで寛ぎたいが1泊5万円以上のホテルに泊まる気なんてないので、いや、今は円安であるからそうであって彼らにすればそれほど高い金額ではないかもしれない。どうもこういう格差に対面してしまいこういったことを考えてしまう海外旅行、前はそうでもなかったのだが。まぁ青い海と太陽とこの気候があればその辺のベンチに座って白い街を眺めているだけで十分だ。

さすがに歩き疲れたのでどこか適当なカフェに入ろうと探すが混んでいたり妙に高級そうだったりで、一見カジュアルな海の見えるカフェがあったので入ってみた。立地はかなりいいのに空席がある。男の店員がメニューを持ってきて、ビールの値段表示が分かりづらく聞いてみると店員は7€のところを指さした。じゃあ、それをお願いと注文すると「OK、セブンティーン€だ」と言い去って行った。あぁ、これぼったくりかな、なんて思ってたらだんだんイラっとしてきた。

周りの席を見ると友達同士で酔っぱらっている連中がいる。そこへ2人のカップルが入ってきたが4人席しか空いていないと言われ、酔っ払っていた2人組がじゃあ俺たちと一緒のテーブルで4人で飲もうと相席しに行った。カップルは少し困惑した顔をしていたがまぁ気を使ったのか一緒に話し始めた。そして他の店員の女の子がいるのだが、靴や靴下はボロボロで難民のようにしか見えなかった。ここは店も客もグルなのか?ビールとチップスが運ばれてきてさっきの男が妙な笑顔でチアーズと言った。顔は出土された彫刻のような彫りの深い顔のおそらく30歳前後だろうか。きっと英語が分からないアジア人でカモろうとしてるんだろう。もしも会計でふっかけてきたら警察でもなんでも呼んでみようと頭に来てた。

微妙な気持ちでビールを飲み終え、クレジットカードだと17€できられてしまうので、現金7€を用意した。店員が17€と言うので、いやメニューは7€だろ?と7€をだすと「オーケーオーケー」と簡単に引き下がった。そんなに強引でもなく、もしも払ってくれればラッキーというようなふっかけだった。きっといつもそんなセコいことをやってるんだろう。ギリシャもイタリアのような習慣があるのだなと到着日から欧州の南の島の洗礼を受けた。これから9日間は用心しないとならないと思ったがこんなこと続くのも厄介な毎日になりそうで、ある意味面白くなってきた。

そしてサンセットに時間になり眺めの良さそうな場所へ向かおうとすると物凄い行列。道を進むことができない、オーバーツーリズムだ。非常に分かりやすいオーバーツリーズムでどうやら写真スポットに並んでいてその行列が道を塞いでいるようだ。夕陽は見たいがさすがにこの行列の団体と一緒の時間は過ごすのは勿体ないので、空いているところから鑑賞してフィラ行きのバス停に向かい早めに戻ることにした。

丁度夕食の時刻だったので、ホテルの隣にレストランがあったのでそこに入ると南の島の雰囲気でタコのグリルとサントリーニワインのハーフボトルを注文した。初日の夜にこんなのを平らげて(一応メモっといたんだけど、タコのグリル23€、ワイン16€、日本円にすると7,000円越ていてる)結構酔いが回り、歩いて1分の自分のホテルの部屋に戻りベッドに倒れこみ朝まで熟睡してしまった。

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