3年半ぶりの海外は台湾へ 6(最終話)

数時間だけ寝て、起きて朝9時頃になんとか集合場所のホテルのエントランスにヘロヘロで向かう。さすがに疲れた。O君は早朝に帰ってきたのに早朝に九分へ一人で出発してしまったらしい。今日は帰国するので午前中しか自由な時間がないため、残った3人は龍山寺へ向かう。地下鉄を乗り継ぎ寺へ向かう途中で朝食を食べようと思ったのだが、時間帯が早い為マクドナルドしか見当たらず、妙に混んでいる冷房が効いた店内でハンバーガーを食べる。中国語が飛び交う朝の台湾はなんとも落ち着く。

龍山寺に到着すると日差しが強くなっておりかなり暑い。O君から無事に九分に着いたと連絡があり、こちらは龍山寺を観覧する。この暑さなのに拝観者は多くみな念仏を唱えている。寺は中国にはよくあるような寺であったのでさっと見歩いて終わってしまった。それからは特にすることもなく、3人は空港へ向かわないとならないので、デパ地下の飲食店で小籠包と牛肉麺を食べる。フライトは15時頃なのだが、O君だけは20時のフライトなので九分でしばらく遊んでいるのだろう。空港への列車へ乗り、もう遊ぶだけ遊んで満足なので、3人ともいい具合に遊び疲れた表情でつり革を掴んで窓の外の景色を見ていた。空港に到着して、それじゃまた東京でとK君と別れた。

自分ともう一人が空港で土産を買おうと物色していると、やはり空港価格、そこに円安も絡んできたので、どれも高い。とはいえ久しぶりの海外なのでパイナップルケーキを買っていく。今年の5月にコロナが5類になったばかりなので海外へ行く人はまだ多くない。土産だけでも海外からの物が渡されればパンデミックも終わりになったのだと実感しやすいだろう。フライトの出発時刻までの時間、アイスコーヒーを飲みながら寛ぐ。こういった時間さえも3年ぶりなので、自分の過去と現在が絡みあい不思議と気持ち良さでいっぱいになる。

自分は3年前に何を目指しどこへ向かっていたのだろうか。突然パンデミックにより生活が中断されてしまい、その中断が3年以上にも及んだのだ。意識が不明瞭になっていたことがここに来て分かってきたような感じだった。様々なことがフラッシュバックしてくる。空港から外を見ると飛行機が滑走路を走っている。数年前はこの景色を南米や欧米で見てたりしていたのだが、まだまだそこは遠い昔の場所ような感じさえもする。

年内に10日間の休暇が取れるのだが、どこへ行ってみようか、遠い場所には果たして行くことができるのだろうか。まだこの時、欧米などはパンデミックによる三年の月日による壁があり、とにかく遠いという印象であった。

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