川久保 玲さんがテレビの取材を受けて放送されていた。 テレビの取材を受けることは非常に珍しく、この人が生の声で現状を話しているのに驚いたのだが、ニュースのキャスターが言うように胸に突き刺さるコメントだった。
何故取材を受けたのかという質問に対して、「物作りのパワーを分かってもらいたい。こんな状況の中だから何もできない、少しお休みしようではなく、こういう時だからこそ何か新しいことに進まなければならないのではないか。」「制限ができると、その状態に慣れてしまったり、『それでいいかな』、『しょうがないか』と思うことは危険で、かえってそこをチャンスとして強く前にいくパワーにしないとならない。悪い悪いとしょげていてもしょうがないです。」「40年間揺るぎない反骨精神は変わらず、何もできないけど気持ちだけは大きくなる。 」「人間というのはハングリーであれば、厳しい状況であればそれをバネにしてもっと前へ行くパワーがあるはずなのです。」と話していた。 このコメントには胸が熱くなった。こんな人でも毎日毎日がんばっていても厳しい状況なのだということが痛烈に伝わってきた。これはファッション関係者だけへのメッセージではなく、自分も含めすべての国民に対するメッセージとして素晴らしい内容だと思う。 こんな状況下では多少なりとも守りに入ってしまうのが当然なのだが、そこを反骨精神で前へ本気で向かおうという意気込みを、78歳になる声が少ししゃがれた女性の芸術家がこの同じ時代にいることを非常に嬉しく思えた。自分も前へ行こう。